岐阜と長野の県境で有感地震が136回発生/日本海溝・千島海溝で巨大地震が切迫の恐れ

● 岐阜と長野の県境で有感地震が136回発生
今月19日、岐阜県飛騨地方と長野県中部の両県境を震源とする地震が相次ぎ、未明~午後11時に計36回の有感地震(震度1以上)を記録。両県境を震源とする有感地震は、4月22日~5月19日の間では、136回も確認されています。一連の地震による最大震度は、4月23日午後と5月19日午後に岐阜県高山市で観測した震度4。地震予知連絡会会長の名古屋大学山岡教授によると、「北アルプスは隆起に伴う変形等で地震活動が活発になることがある」とのこと。同教授は「今後も最大で震度5弱程度の地震が起こり得る。建物が倒壊する揺れではないが、落下物や崖崩れ、落石には注意が必要だ」と警戒を呼びかけています。

 

● 日本海溝・千島海溝で巨大地震が切迫の恐れ
内閣府の「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会」は、東北から北海道の太平洋沖に延びる日本海溝・千島海溝でM9級の巨大地震が起きる可能性があるとの想定を公表。今回、過去の津波で陸に運ばれた砂や土の津波堆積物が発見された位置やコンピューターによる模擬実験を踏まえ、巨大地震の震源や規模、津波の高さを推定。各海溝上にある十勝・根室沖、三陸・日高沖の2つの震源域で、最大規模はそれぞれM9.3、M9.1になるとのこと。また2つの震源域ともに前々回の地震・津波は12~13世紀、前回が17世紀で間隔は約300~400年とみられ、前回から300年以上経過していることから巨大地震は「切迫している」と検討会は警鐘を鳴らす。今後、内閣府は防災対策を練る作業部会を発足させ、20年度中に案を示し、周辺住民の避難を促し被害を減らす対策が急務としています。